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小ネタ:鈴木周作抄訳『ペルリ提督 日本遠征記』テキストデータ化:1.はじめに

『ペルリ提督 日本遠征記』

日本人の多くが歴史の授業で習い、黒船のイメージだけは持っているペリー。日本側から見た外圧の象徴としての面ばかり強調され、義務教育の中ではその実態が伝えられることもない。妙な笑いのネタにされてしまったりと散々な扱いだが、実際には優秀で高度な権限を与えられた軍人である。

ペリーは日本へ開国を迫る一連の出来事を、帰国後に『日本遠征記』としてまとめている。そこにはペリーの側、そしてそこから見た当時の日本の姿が細かく記述されている。この資料は日本語訳が度々出版されており、Amazonでは2006年訳のものが電子版でも販売されている。


ペリー提督日本遠征記 (上) (角川ソフィア文庫)

そのような翻訳の中で最初のものは、1912年(明治45年)の鈴木周作による抄訳『ペルリ提督 日本遠征記』である。抄訳とはいえ、原書を日本にもたらし、興快横溢、卷を措く能はざるものありきとした櫻井省三が、原書の眞意を傳えて大瑕無きに邇しと評している。ありがたいことにこの本は、国立国会図書館の国立国会図書館デジタルコレクションに収録・公開されている。しかし同コレクションで公開されているのはスキャンした画像であり、文字起こしされたテキストデータがまだ公けには存在しない。そこで、少しずつでもこの原文をテキストデータ化し、完了後はパブリックドメインとして公開しようと思う。

テキストデータには、同時に現代の人間でも読みやすい程度の調整を加えた、現代語訳版とでもいうものも付ける。例えば原文は時代なのか訳者の癖なのか、一文が長いことが多く読みにくい。そういった点に適当に手を入れることで、より多くが拒否感なく読めればと願う。

底本について

本作業の底本としたのは、以下で公開されているものである。

ちなみに近代デジタルライブラリーにも同じデータが公開されているが、こちらは2016年5月にデジタルコレクションへ統合される予定である。

底本は明治末年の出版であり、恐らく誤訳や誤解も含まれている。ペリーの著作そのもの資料としては原文をあたるべきで、読み物としての完全を求めるなら、以下の著作らを求めてほしい。

また、図版部分から日本や沖縄に関連する箇所をまとめたペーパーバックもある。


ペリー日本遠征記図譜 (京都書院アーツコレクション)

入力規則について

パブリックドメインとしての公開を目標とする本作業だが、可能であれば青空文庫にも掲載したい。また青空文庫であれば、近代の著作の文字起こしで豊富な実績を持ち、その入力規則も十分な知見に基づいている。たとえば外字や異体字の扱いは、青空文庫・外字注記辞書のような、よく出来たフレームワークに準ずるのが何よりだと思う。以上を踏まえ、最終的な成果物は青空文庫の規則に従うこととする。

一方で、日々少しずつ作業を進める都合上、あまり細かい点に縛られずにも進めたい。そこで、日々の入力は自分のやりやすいように進め、ある程度の単位、あるいは最終的な入力でもって、青空文庫の基準に合わせる作業を行うこととする。例えば平易に入力できない外字等は代字を置き、”■”などの記号で示しておく。また何かしら問題があればノートで残し、これらは最後にまとめて解決する。

次の投稿では、まず表題と序文をテキストデータ化する。

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