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2016年6月のTOP500 / Green500

スーパーコンピューター

世界のスーパーコンピューターの性能を競うランキングには、絶対性能基準のTOP500と、エネルギー(電力)効率基準のGreen5002つがある。元々はTOP500のみだったが、コンピューターの消費電力が重要な問題となり、Green500が設けられた。TOP500とGreen500はこれまで、時期は近いものの別個に発表されていたが、今回から両者が統合された。

TOP500の結果は、中国の「神威太湖之光(Sunway TaihuLight)がダブルスコアでトップになった。DEC Alphaベースらしき自国産CPUを40,960ノード積んでおり、LINPACK性能は93ペタフロップス超え。ネットワークなども内製化したそうだが、冷却はClimavenetaの液冷をカスタマイズして使っているらしい(中国、93ペタフロップスの国産プロセッサ搭載Sunwayを投入)。今後はこの辺りの周辺まで内製化して、規制の通じないスパコン政策を目指すのかもしれない。

さて、Green500の方では、理研のスーパーコンピューターShoubu(菖蒲)とSatsuki(皐月)が1位と2位を取った。

いずれも株式会社PEZY Computingと + 株式会社ExaScalerのPEZYグループの製品である。ちなみにPEZYグループのマシンは、去年の6月にはGreen500のトップ3を独占しているが、単体の組織としてトップ2を占めたのは、今回の理研のマシンがはじめてだ。

TOP500ではいまだ京が5位にいるし、今後のスパコン計画も1位が取れそうなタイミングを狙って運用を開始するだろう。しかしそれは、強者のいないタイミングで映画や音楽を公開するランキング対策のようなもので、物量が重要なTOP500でアメリカや中国に勝ち続けることは、恐らく今後はないだろう。しかも今回TOP500の首位となった神威太湖之光は、Green500でも3位で、2位の天河2の3倍の性能を8割強の電力で実現している。実用途での性能はまともに公表されることはないが、TOPもGreenも中国勢が上位を独占という可能性はある。

所詮ベンチマークに過ぎないけれど、そのベンチマークに世界は動かされるのだから、無視はできない。かといって巨大公共事業となるTOP500を追い続ける資金力は、今のアメリカにも日本にもない。せめてGreen500の方では、PEZYだけでなくドイツ勢などにも頑張ってもらって、中国への一極化を緩和して欲しい。

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