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人間が食べてきた「肉」のリスト

食文化 動物

A Meat Stall with the Holy Family Giving Alms by Pieter Aertsen Public Domain

人間は究極の雑食動物です。本来摂食・消化の器官が対応していない食物まで、加工調理という特有の過程により食べてしまいます。殻を割り、繊維は外し、毒は除く。筋はとろかせ、渋は抑え、硬ければ砕き、軟らかければ固める。漉し、煮詰め、漬け、混ぜる。環境にある限りの中から、何とかして食べてしまうというその特性は、人間の適応能力の大きな部分を担っています。

あらゆるものを喰わんとするそんな人間にとって、肉は特別です。採取にリスクがあったり、生産に大きなコストのかかったりしてでも、人間は肉を食べ続けきました。一方で、食の禁忌や忌避の多くは、まず肉食を対象とします。

なぜ肉を食べるのか。また、なぜ忌避するのか。肉への欲とその力を理解する手始めとして、「肉」の範囲を見渡したいところです。そこでまずは、人間が食べてきた肉の対象となる動物を、なるべく多く集めます。

更新情報

この記事は、定期的にメンテナンスします。現時点では項目名だけのものが多く、各項の情報も不足しています。

  • 2016-05-26 「ガチョウ」の内容を追加
  • 2016-05-24 「ウサギ」の内容を加筆修正
  • 2016-05-23 「カンガルー」の内容を追加
  • 2016-05-20 「ツグミ」の内容を追加
  • 2016-05-12 項目を追加し、記述を加筆修正

肉の定義

まず、ここでは以下に該当するものを肉とする。

「脊椎動物の内、魚類を除いた哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類の体組織」

魚や昆虫、その他節足動物や軟体動物も肉と言えるが、”求められ忌避される肉”としては、まず上記を考える。体組織というだけでは曖昧だが、細かくすると例外ばかり増えそうなため、まずはざっくりとしておく。品種なども踏み込んでいくと膨大になるため、概ねひとつの系として認識される単位で採り上げつつ、必要に応じて細かくする。

また、収録する対象として、以下の条件も加える。

「どこかで誰かが食べたこともある」程度のものまで含めると、ほとんどの動物が該当してしまう。そのため、食べることがある程度の集団に定着している、または定着していた事が確認できるもののみ対象とする。

目次

哺乳類

人間にとって肉とは、何よりまず、これら哺乳類のものを指す。

他の類に比べると、家畜化しやすく、大型で歩留まりの良いものが多い。また名前の通り乳を分泌するので、肉と乳が兼用されるものもある。

哺乳類は「飼い慣らす」ことが可能な点も得意である。もちろん他の動物も一定の調教は可能だが、哺乳類ほどではない。また基本的に人間と近い環境で飼育できる点も、他の動物と大きく異る。これらの特徴から、食肉源としてだけでなく、防備や農耕に利用したり、愛玩動物として扱われることもある。

人間との近さは、利便性と同時に食物の競合という不便も生じ得る。

ウシ(牛)

授乳する牛の親子 by Wikimedia Commons CC BY SA 3.0

幅広く飼育される家畜の中では最も大型。乳の生産量も大きく、材料としての骨や皮革、燃料や建材としての糞に至るまで、人間との関わりの幅は広く深い。

広義の牛にはスイギュウやコブウシ、バッファロー、ヌーなども含むが、ここではコブの無い家畜化された種を指す。

生産

現在では野生のウシはほとんど存在せず、消費されるほぼ全ての牛肉は家畜による。

最初は当然野生種であり、訓化されて家畜となったのは現在のトルコ辺りだと考えられている。原種とされているのはオーロックスで、こちらは17世紀まで生き残ったあと絶滅した。オーロックスから生まれた多くの子孫は、現在ほとんどが家畜として世界中で飼育されている。

近代的な牧畜では、肉牛や乳牛などそれぞれ専用で飼育されることが多い。しかし農耕の補助から乳の生産、そして最後には肉と材料と、多目的で利用される地域も残っている。

本来アメリカ大陸には生息しなかったが、入植時に導入され、現在では南北アメリカが最大の生産地になっている。

肉質

巨体に応じた筋肉量があり、本来は赤身肉だが、飼育方法によっては筋肉中に多量の脂肪が入った、いわゆる霜降り肉となる。

塩漬けなどで結着しにくいタンパク質が多いため、ハムやソーセージのような加工品にはされにくい。加工される場合、コーンビーフのように繊維を保った状態や、ビーフジャーキーのような肉質を残した製品が中心となる。

清浄な肉は生食されることもあるが、解体などの処理で汚染も起きやすく、感染症の危険がある。日本では焼肉店が提供したユッケによって5名が死亡する食中毒事件が発生している。ただし、豚肉のように広範にウイルスを含んでいるわけではないため、消化器からの汚染などに十分注意することで、生食自体は可能である。

大型で利用の歴史も長いため、部位や品質に対する区分が非常に細かい。上質の部分はステーキやローストビーフ、しゃぶしゃぶ、すき焼きなどに利用される。低質の部分は、ハンバーガーとして世界規模で膨大に消費される。また内臓も大いに消費され、睾丸や乳房、脳、骨髄などにも一定の商品価値がある。

利用

ヨーロッパを中心とした文化圏では家畜の中心となる。肉だけでなく、乳とその加工品であるチーズやヨーグルト、そして材料としての皮革と、各国の文化に大きな影響を与えている。

日本では明治以後その肉食が定着し、今では和牛がブランド化している。

ヒンドゥー教では(瘤牛が)聖獣として崇められ、その肉を食べない。

入手

日本国内では、ほとんど全ての地域で入手は容易。肉の売場ではほぼ間違いなく取り扱われており、ブタ・ニワトリと並んで基本的な食肉である。

価格はブタ・ニワトリより高く、またグレードによって大きな幅がある。日本で改良された和牛と呼ばれる特定の品種は比較的高価で、「神戸牛」など最高級のブランドとなると、卸値ですら100gで数万円を超える場合がある。

スイギュウ(水牛)

肉は結構固く、牛ほど好まれない。一方乳の利用は盛んで、牛のそれとは異なる風味が好まれている。チーズやバター、ギーなど乳の加工品も盛んに生産される。

ヒンドゥー教で聖獣とされるのは本来コブウシ(瘤牛)であり、水牛も含めたその他の牛とは区別される。コブウシが食用にされることは滅多に無いが、一方で水牛はその肉もしばしば食べられる。インドには多くのムスリムもおり、彼らは牛肉そのものへの禁忌が無いため、水牛を盛んに消費する。また、ヒンドゥーの中でも牛肉に対する扱いの差はあり、水牛を含め一切の牛を食用すべきでないと考えるグループもいる。

日本には定着していないのでほとんど見かけないが、一部の農家は飼育しているようだ。

バイソン

アメリカの野生生物でまず思い浮かぶ、バッファロー(アメリカバイソン)。開拓時代は大いに食べられ、その後落ち込み、最近また復活してきた食肉。

アメリカでは一部のスーパーに置かれる程度に普及。 脂肪分が少なく健康志向に合ったため、バイソン産業が盛り上がってきたようだ。しかしまだまだ、その他の肉という分類から抜け出せそうにない。

ブタ(豚)

家畜としての扱いは牛より一段落ちるが、消費量の最も多い食肉の王。

牛よりもかなり効率よく肉を付け、しかも餌として、残飯や人糞ですら用いることができる。但し、トリュフ探しぐらいしか農耕には使えず、草を食べないため、時に食料で人間と衝突する。

肉は全ての部位で基本的に、寄生虫と細菌、ウイルスを含むため生食できない。しかしだからこそ、長期の塩蔵と熟成による生ハムという素晴らしい加工品を生み出した。

肉はそのまま調理して食べられるのはもちろん、塩などにより結着する性質によって、ハム、ベーコン、ソーセージなどに加工される。内臓も牛同様に食べられ、血もソーセージや猪血などの形で食べられる。

特筆すべきが脂で、調理、保存に多用され、そのものが食品としても愛好される。

イスラムでは忌避されるが、他の文化圏ではとても消費量の多い肉である。一見牛肉のイメージが強いアメリカや韓国でも、豚の消費量は非常に多い。特にアメリカではベーコンという一種の神話化した加工品が大量に消費される。

乳の利用はほとんど無いが、皮革は広く利用される。

イノシシ(猪)

豚の原種。野生種なので畜産に向かず、大量に消費されるものではない。日本では主に害獣駆除の狩猟によって供給される。

中国では「猪」でブタを指すので、翻訳時は少しややこしい。

肉は豚よりも強い味をもち、日本ではぼたん鍋として食べられる。深い山に住む知り合いの一人でもいれば、どこかでおすそ分けのチャンスもあり得るほどにはポピュラーな肉。

イノブタ(猪豚)

原種である猪と、訓化された家畜種である豚を、更に掛けあわせたもの。

猪の野趣と豚の旨味を持ち合わせるらしいが、詳細は分からない。野生化した豚と猪の交配で生まれたり、意図的に生産したりがある。

肉質は写真で見る限り、確かに猪と豚の間の子の姿をしている。

ヒツジ(羊)

日本では羊毛の利用の方がイメージは強いが、聖書にだって登場する古くから愛される肉。

よく言われる成獣の脂の臭みは、慣れてしまえば風味でありおいしさとなる。日本では、ラムとよばれる子羊肉が有名だが、味の濃さでは成獣の肉であるマトンの方が上である。スパイスを上手く合わせたマトンは、他の肉になんら劣らない美味しさを持つ。

乳も出るが、量が少ないこともあって、あまり広くは利用されない。

ヤギ(山羊)

羊より乳の生産量が高く、牛乳に似ていて、荒れた土地でも育つため、広く飼われていた。一時日本では沖縄以外での飼育が激減したが、現在は雑草を食べての山林管理などから再び注目されている。

日本では羊も山羊も馴染みが薄いためはっきり区別されるが、山羊肉が一般的な地域では、羊肉とひとまとめにして扱われることも多い。

沖縄ではヨモギと似たヤギ汁や、刺し身が好まれている。

トナカイ

日本人にはほとんど馴染みない肉。強いて言えば、鹿に似て、癖がなくレアでも美味しい。

北欧の物語などでは「トナカイのシチュー」が家庭的な料理として表現されるなど、広く親しまれている。スウェーデン、フィンランドなどで特に食べられるが、カナダでも好まれる。

ウマ(馬)

世界中でよく食べられるが、一部では宗教的禁忌なしに、その肉食に好悪がはっきり分かれる不思議な肉である。

日本では馬刺しや桜鍋など、珍味ではあるが、特に抵抗なく食べられる。また、コーンビーフには当たり前のように馬肉が使われていた時代がある。現在は、牛肉と称して馬肉を使った偽装事件の方が話題になることが多い。

フランスは馬肉を食べることで有名。一方で、イギリス(とアイルランド)とアメリカは、馬肉へのタブーの強さで有名である。

あれだけの馬を生産してきた中華文明では、馬肉食が定着していない。馬刺しを非常に不快に感じるようである。長い戦乱で大量に飼育された馬たちの行末は、肉ではなかったんだろうか。

ウサギ(兎)

主要な食肉ではないが、世界中で、一定数食べられてきた食肉。

比較的狩りやすく、攻撃されることも少なく、繁殖力も高いため、狩りの獲物として最もポピュラー。今の日本でも狩猟の対象で、田舎暮らしの子供には、始めての解体作業となることもある。

私自身、小学生の頃熊本の山村留学先で、隣家の主人が狩ったウサギの解体を手伝った。物干し竿に耳を紐のように結んで、腹を裂き、私の持ったビニール袋に内臓を掻き出された記憶は鮮明に残っている。内臓は猟犬のご褒美として、まだ温かいうちに振る舞われ、肉は皆で濃い味の甘辛い煮込みにして食べた。噛んでいると、時々狩りに使った散弾の欠片が出てきたのには驚いた。

また小学生が参加する地元の行事として、山に火を放ちつつ棒や声で追い立てる「うさぎ追い」もあった。今でも日本の山村では、想像以上に身近な肉なのかもしれない。

肉は柔らかで脂が少なく、結着性に富む。日本では煮込んで食べるのが一般的だが、ジビエを珍重するフランスでは、手の込んだ料理も多い。

皮が服飾に利用される他、腱などは膠の重要な材料。また皮革も重要な材料。

シカ(鹿)

日本では猪と並んで駆除対象となる害獣の代表。

肉質は柔らかく、脂は少ない。血の味の濃さはあるが、良く処理した肉にクセは少ない。成熟した個体の肉は旨味も濃く、強いソースにも応える。

ヨーロッパやアメリカでは狩猟の獲物として非常に愛好される。日本では味の良さと駆除の観点から徐々に注目されているが、まだまだ普及していない。

イヌ(犬)

ペットとしてのイメージが強過ぎるため、近代の多くの国では忌避される。しかし食肉としての利用の歴史は非常に長い。

韓国の滋養食としての犬鍋や板肉は有名。中国、ベトナム、フィリピンなど他のアジア圏でも広く食べられている。ポリネシアでも、犬類の肉は愛好される。スイスでは食肉に対する禁忌が弱いのか、猫肉と並んで、現在も食べる習慣が一部にある。

日本では薩摩藩のオノコロ飯が有名だが、獣肉禁止の中でも、ある程度食されていた。また飢饉の際は、他の獣肉とともに盛んに食べられた。

肉食獣の肉は臭みなどがあるとされるが、犬肉も独特のクセがある。よく煮込んだり蒸したりすればクセは抑えられるが、犬肉そのものの個性も消える。

ネコ(猫)

犬同様ペットのイメージが非常に強い。しかしやはりその肉食の歴史は長いし、今でも愛好する文化がある。

中国を中心にアジアでは比較的食べられる。犬肉と並んで、スイスもある程度の消費地。日本でも江戸の頃までは、それなりに食べられていた。こういった事情は犬肉と似ている。現代での猫食は、犬食より更に非難されやすく、中国では猫肉料理店への襲撃があったようだ。

食肉生産の専業化大規模化にともなって、非効率的な肉食獣肉の生産や消費は避けらる傾向にある。中でも広い愛玩性を持つ動物は、忌避感が強化されやすい。

サル(猿)

日本やヨーロッパ、北米では滅多に食べられないが、アフリカや南米ではそう珍しくない。

ゴリラ

クジラ(鯨)

イルカも含めて扱われることも多いが、ここでは鯨類の肉とする。

利用は先史時代からで、世界各地の沿岸地域で食べられてきた。アジア、北欧、北米などでも重要な食料源であり、脂や骨、髭など、肉以外の材料源としても珍重されてきた。

日本では、流れ寄せる尊いものとしてなのか、ヒルコ神、あるいはそれに同一視された恵比寿との性質が一致し、漂着神として信仰する地域がある。勇魚などとも呼ばれる。

現代では反捕鯨の大きな動きがあり、利用国との間で激しい対立が起きている。特に日本の調査捕鯨は避難の的となりやすく、シー・シェパードなど過激な団体から暴力的な攻撃を受けることもある。

その巨大さから、それぞれの部位が食材として独立して扱われる事が多い。日本ではかなり細かな分類を行い、肉や内臓だけでなく、オスメスの性器も区別して扱われる。尾の身は特に美味とされ、刺し身などで食べられる。

捕獲が禁じられているシロナガスクジラが最上とされ、現在は通常食べることができない。

イルカ(海豚)

肉質としてはクジラとほぼ同じ。

クマ(熊)

アザラシ(海豹)

アシカ(海驢)

トド

ゾウ(象)

マンモス

ラクダ(駱駝)

カンガルー

カンガルー by llee_wu CC BY-ND 2.0

オーストラリアに生息する有袋類。有袋類は、多くの哺乳類に比べて胎盤の機能が劣り、出産後に育児嚢で子を育てる。

後脚が大きく発達しており、前脚を上げた状態で大きく跳ぶように進む。基本は草食性だが、時に昆虫も食す。有袋類であり、未熟な状態で産んだ子を、育児嚢で長期間育てる。

カンガルーは、ヨーロッパ等からオーストラリアへの入植までは、先住民であるアボリジニの重要な食料だった。ディンゴ等を使った狩りを行い、熾や蒸し焼きなどにしてあまさず食べられた。ヨーロッパ入植後は、食料及び害獣として、大いに狩猟の対象となった。現在でも、交通事故及び農業被害から、駆除対象でもある。

カンガルーの肉は、主にオーストラリアで消費される。抵抗感を減らすために「ルーミート」などとも呼ばれ、海外にも輸出されている。肉質は赤身で、一般に手に入る肉の中では牛肉が近い。ただし脂肪分は少なく、ややクセもある。シカとウシの間をイメージして調理すると良い。

基本的に全てのカンガルー肉は、狩猟によって供給される。野生で大量に存在するカンガルーは、飼育した場合コストが見合わないためである。狩猟によるため、生産は厳密なコントロールを受けておらず、時に品質に問題が起きる場合もある。

リス(栗鼠)

シマリス by Alpsdake CC BY-SA 4.0

ネズミ(鼠)

ヌートリア

カバ

キリン

カピバラ

ヤク

リャマ

アルパカ

ロバ

タヌキ

ハクビシン

センザンコウ

ヒト(人)

鳥類

ニワトリ(鶏)

食糧として占める割合は、鳥類の中では圧倒的に大きい。卵も含めれば、牛や豚を凌ぐほど広く利用される家畜。人間と密接に関わり、大量に飼育され、食われてきた生物。

投入する飼料と時間が、肉として回収できる効率が高く、短い期間で肉として食べられるまでに成長する。品種改良による向上も含め、鶏は、他の食肉用動物より効率的に肉を生み出す。短期育成を向上させた品種では、50日程度で出荷可能なまでに育つほど。効率化のための高密度化が行われた飼育場は、「食肉工場」という印象を抱かせる。しかしこれらの工夫が、消費の拡大に応えつつ、安価な肉の提供を可能にしているのは間違いない。

人間からの距離の違いによるのか、その他哺乳類よりも食の禁忌の対象になりにくく、肉食を許す文化では大抵認められている。日本で肉食への忌避が強い時代でも、鳥類全般は食われていた。

カモ(鴨)

アヒル(家鴨)

アイガモ(合鴨)

ガチョウ(鵞鳥)

ガチョウ(エムデン系) by Noodle snacks CC BY-SA 3.0

家畜化された雁で、大きく分けてヨーロッパ系と中国系がある。

色やサイズなどが似ているためアヒルと混同されやすいが、そもそも系統が異なり、体型はガチョウの方がずんぐりとしている。

日本では肥大化させた肝臓であるフォアグラが有名で、肉や卵の利用は非常に少ない。フォアグラはガチョウだけでなくカモでも生産されるが、ガチョウのものの方が有名。元々ニワトリなど他の家禽が用いられることもあったが、ガチョウが定着し、その後より生産性の高いカモが導入された。なおフォアグラの生産は動物愛護の観点から問題視されており、今後世界的な禁止が広がる可能性がある。

ヨーロッパの文化に広く浸透した家禽であり、物語にもしばしば登場する。ヨーロッパで初めて列聖された聖マルティヌスの祝日には、ドイツやオーストリアなどでガチョウ料理を食べる。また中国でも食材として広く利用されるが、日本では定着しておらず、原種の雁が狩猟される程度である。

肉質は、赤身でわずかにクセがあるが、アヒルやカモに比べて大人しい。フォアグラを取り去った残りの肉は特に多量の脂肪を持ち、脂のみをコンフィ用や薬用にする場合もある。ヨーロッパでは煮込みやロースト、ソテーなどが一般的。中国では蒸しやスープ、北京ダック風のローストなどがある。

比較的羽毛の質が良く、生産量も多いため、布団や衣服などで幅広く利用されている。

キジ(雉)

ウズラ(鶉)

ハト(鳩)

リョコウバト

すでに絶滅した、北米大陸に生息していた鳩の一種。越冬のため、五大湖あたりからメキシコ湾岸まで大移動する性質から、この名が付けられた。

スズメ(雀)

ツグミ(鶫)

ツグミ by Jerry Gunner CC BY 2.0

中国やロシア、日本などに生息する鳥。日本では越冬に渡ってくるため冬鳥とされる。

日本では古くから多くの野鳥が食用とされてきたが、ツグミも幅広く食べられてきた。ただし乱獲から減少し狩猟鳥獣から外されたため、現在は狩猟が禁じられている。

同じく日本で食用とされた野鳥にはアトリもいるが、ツグミは全長で30cm程度とサイズも大きく、味も良かったため、今でも美食用として密猟と違法な取引が行われている。比べてアトリの密猟は、ツグミほど盛んではない。

上記ページには、少し古いが2000年頃までの密猟の摘発事例が掲載されている。メジロやツグミなど狩猟が禁じられた鳥を対象としているだけでなく、その一網打尽性から許可の無い使用が一切禁じられたカスミ網を用いた例が多い。

ツグミの肉は、とにかく味が良いとされる。戦後の食糧難の頃には、他の野鳥も含めて大量に捕獲された。下記のページには、アトリとともにツグミを食べた経験談がある。

その他のツグミに関するページ。

ツル(鶴)

カラス(烏)

家禽としては定着していないが、人間の文化に広く影響を与えてきた鳥。

日本では、茨城県の一部では戦後の食糧難をきっかけに食用とされているらしく、特産品として改良の動きもあるが、他の地域への広がりは見えない。フランスでは多少食べれるようだが、ジビエの中でもやや珍味としての扱いのようである。

飼育例が少ないのはその性質が向いていないためだが、肉質は悪くないという。

肉は赤身主体で、強いクセは無い。肉の赤さはミオグロビンが多いためで、クジラやアザラシなど海中の哺乳類も持つ色素によるもの。ミオグロビンはヘモグロビンよりも酸素を吸着しやすく、ヘモグロビンによって輸送された酸素を更に受け取って貯蓄可能。カラスの筋肉にミオグロビンが多いということは、鶏などと比べれば、無呼吸飛行を得意とするのかもしれない。

フクロウ(梟)

身が少ないためか、現代での食用の情報はほとんど出てこない。ただし過去には食べられていた可能性がある。

ダチョウ(駝鳥)

現存する鳥類では最大のもの。

食材や服飾材料としてはオーストラリアの印象が強いが、原産はアフリカ大陸。飼育は古代のエジプトでも行われており、近年は日本でも普及し始めている。世界的にも消費は拡大しており、広く一般化し得る食肉の候補に数えられる。

肉質はその他の鳥よりも牛に近く、大きな赤身が取れるが脂肪分はかなり少ない。刺し身やタタキで食べられる程クセはないが、風味も弱いため工夫がいる。

屠殺やその後の処理次第で肉質に差が出やすく、一般に出回る肉の中にはひどいものもある。恐らくは処理技術の向上と普及が不足しているためで、飼育が一般化すれば品質は安定する。

巨大な卵も有名だが、何度か食べた限りでは、はっきりいってまずい。サイズの分だけ大味になった印象だが、調理法による可能性はある。

エミュー

エミュー by Eric Kilby CC BY SA 2.0

シチメンチョウ(七面鳥)

アメリカ大陸原産の大型の鳥類。

アメリカ合衆国やカナダでは、詰め物をした丸焼きが感謝祭に欠かせない食べ物となっている。この丸焼きには、ヴィーガンでも食べられる豆腐ベースの「トーファーキー」という製品があるほど。日本人が想像するよりはるかに、北米文化圏では親しまれている肉である。

肉は鳥類共通の質感を持っていて、筋肉が大きい分、相対的に小型の鶏などよりも脂が少ない。鳥肉なのでハムやソーセージにも加工可能で、豚のものに比べて”ヘルシー”な肉製品としてある程度定着している。

部位によっては脂肪分がほとんど口に入らないので、調理法を工夫しないと、パサパサに感じられる場合がある。

ハクチョウ(白鳥)

ホロホロドリ

ヒヨドリ(鵯)

ウコッケイ(烏骨鶏)

クジャク(孔雀)

サギ

シギ

アトリ

イスコ

インコ

オシドリ

ライチョウ

ヒバリ

マガン

タシギ

カッコウ

ペンギン

爬虫類

ヘビ(蛇)

ワニ

カメ

トカゲ

両生類

カエル

サンショウウオ

イモリ

メキシコサラマンダー(ウーパールーパー)

参考

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